歯車加工技術研究所ロゴ

専業化への思いと背景(雑記)

2022年3月1日より、歯車加工技術研究所として専業化し運営していくことになりました。5項目の専業化したかった理由についての思いや背景を、これからDGMのプログラムの改善に取り組む前に自分の整理と宣言も兼ねて雑記として書いてみました。
ただの自己満足で書いているので、読んで頂かなくても大丈夫です。

専業化への思いと背景

副業(兼業)の状態でも、個人事業を行い専門性を明確にすることで自分の価値を少し上げて、半ボランティア程度の副業の売上でも小遣いのプラスになりますし、会社員と副業(兼業)により必要な支出は経費としたり節税に出来ることも増えるので、それなりのメリットはありました。でも、リスクを取ってでも、専業化をして1人ビジネスをしてみたかったのです。

以下の5項目が専業化して1人ビジネスを行いたかった理由となります。
それぞれについて、思いや背景を書いてみます。

  1. ソフトウエアの作成やブラッシュアップに専念したい
  2. 自分のオリジナルの技術をもっと世の中で役立てて貰いたい
  3. 歯車業界の発展に少しでも貢献したい
  4. 自分のビジネスを持つ夢を叶えたい
  5. 自由を手に入れたい

1.ソフトウエアの作成やブラッシュアップに専念したい

2019年秋に株式会社カシフジさんにNCホブ盤によるダイレクト ギヤ ミーリング(DGM)を採用して頂きましたが、それ以降、とりあえず加工をできるようにする程度の改善しか行えずにいました。5軸複合旋盤のDGMでは出来ている機能すら織り込めていない状態で、ソフトウェアも正式版と言い切ることが出来ずβ版のままで3年間が過ぎてしまいました。5軸複合旋盤のDGMに関しては、その間、一切の新たな機能追加は行えずにいました。
NCホブ盤によるダイレクト ギヤ ミーリングをホームページで告知出来ていないのは、そのような状況だったからです。
それに反して、会社員としての部分で試作ギヤなどの加工に携わらせて頂く中で、5軸複合旋盤やNCホブ盤でのDGMで、多くの加工実績を積ませて頂くことができました。それにより、DGMの有効性を確認するとともに、改善すべき項目や機能を追加すべき項目などの課題が多く積みあがってきていました。
機能の追加が出来なかったのは、とりあえず実際の仕事ができる程度までは完成していたということもあります。しかし、作成者としては世の中に胸を張って出せるレベルだとは思うことが出来ず、解決できるのに取り組めていないというモヤモヤした気持ちも積みあがってきました。
これにより、副業で行うことへの限界を感じ、ソフトウエアの作成やブラッシュアップに専念出来る環境を作りたいと思い始めました。

また、DGMについて特許を取った方が良いのではないか?と言って下さる方は多いのですが、基本的な加工原理は以前からある加工機の動きをNCプログラムで再現したり、特許切れの技術を利用していたりしていて、同様の加工を他社が出来ないような特許を取得することは出来ません。細かなオリジナルの工夫の部分に限定すれば特許を取得することはできますが、特にソフトウェアにおいて、特許は技術の発展を阻害し争い事を増やしている元凶ではないかと思っています。開発者としては、正直、こんなことに大きな労力を費やしたくありません。
ソースプログラムが盗まれて真似をされるのは問題であり完全な違法ですが、研究され、それを上回る機能を追加してくるライバルが現れることは自然な競争であり、そこでお互いに切磋琢磨して向上していくことが産業の発展に繋がるのだと思います。それで負けてしまうようであれば、そこまでです。負けないように改善すべき所や機能の追加にはBESTを尽くしたいというのが、開発者としての思いです。現時点では他の工法に対して負けていないと思っていますが、何も改善出来ていない状況ではライバルに追いつかれてしまうにのではないかという焦りが出始めたのも専念したくなった理由です。
専業化を前に、ソフトウェアの保護については事前に取り組みました。

ちょうど会社員としての仕事についても、私の手が離れたタイミングで、会社員としてソフトウェア事業を行うことを承諾頂き、その方向で一時進みかけてはいましたが、それでは、4.と5.の思いをクリアできないため悩んでいました。そのタイミングで会社側の状況の変化もあり、そこでわがままを言って完全に独立して事業化(専業化)することにさせて頂きました。

2.自分のオリジナルの技術をもっと世の中で役立てて貰いたい

技術屋であれば、自分の技術が少しでも多く世の中の役に立ってってもらうことを願うのは当然のことだと思います。

歯車加工技術研究所の設立当初は、ソフトウェアの提供は無料か低価格で、ソフトウェアの販売で収益を得るのでは無く、別の部分から収益を得るのが面白いのではないかと思っていました。Google等のように便利なソフトウェアを無料で提供し、広告で収益を得ているようなビジネスモデルです。

DGM等のソフトウェアは、安い方が世の中に多く広めることが出来るのかと当初は考えていました。しかし、6年間副業として継続している中で、特に会社員としての仕事の方が自分でコントロールしにくくなっていた直近の3年間は、DGMが広まることで更に時間が無くなり、また、新たなことに取り組むことで更に自分の首を絞めることになるので、明確な自分へのメリット(報酬)が無い状態では大きく動くことを避けがちになっていました。
これでは本末転倒です。

また、お客様にDGMを使用して頂くためには、ある程度の ”歯車加工の知識” と "旋盤やマシニングセンターの知識” の両方が必要になります。どちらか一方には皆さん長けているのですが、両方出来る方は多くなく、私が想定していたよりも、ずっと多くのサポートが必要であったことが当初の想定より誤算でした。
世の中に広めて役立てて頂くには、十分なサポートの提供と開発を継続する必要があり、そこに専念できる状態にしなければなりません。それで1人ビジネスとはいえ生計を立てていくには、きちんと有料化する必要があるとの結論に至りました。

あと、DGMはCAMに比べて習得は遥かに楽だとは思いますが、取組み始めが無料のものよりも、ある程度の初期投資を行ってから取組み始めるものとでは、後者の方が真剣に取り組んで頂けて活用されるのかと思うことが多かったことも、きちんとした料金体系を設定した要因です。
なので、きちんと費用を払って頂いて使用されているお客様がいる一方で、無償のまま使い続けているお客様があるのも不公平なので、きちんと契約を頂けなかったお客様には、今後のサポートをしない方針とさせて頂きました。

会社員として、一社に収入の大半を依存していて、そこでDGM等を活用してもらっている状態のまま、ライバルとなる別の会社へも技術提供する状態にも矛盾を感じることもありました。これが世の中にもっと多く役立ててもらいたいという気持ちを減少させていた面もあります。これを解消したかったので、会社員は辞めさせて頂き、歯車加工技術研究所の事業への専業化の決断を致しました。

3.歯車業界の発展に少しでも貢献したい

歯車は決して無くならない重要な機械要素ですが、加工するために多くの種類の加工設備や専用工具が必要だったり、特殊な知識も必要だったりするため、廃業するメーカーは有っても新規参入するメーカーは少なく、ある意味、安泰な業界だと思います。そのため、いまだに40年~60年前のNC機ではない古い機械が主力で稼働していて、あまり進歩が無くても生きていけているのではないかと思います。
DGMに使用しているディスク型のカッターは歯切工具であるウォームカッターとほぼ同じ形状で、ホブカッターよりも単純な工具ですが、製作をお願いすると、歯切り工具を製作しているメーカーよりも、もっと汎用的な工具を製作しているメーカーの方が、きちんと安く製作できることが多いです。
これは、汎用的な工具メーカーでは新しいNC機に代替えが進まないと勝負にならないですが、歯切工具を製作しているメーカーは、いまだに古いメカ機の設備が使用され、同じ形状の工具ばかりを製作している状態で成り立っているので、形状が少しでも変わると対応することが出来なくなっているのだと思います。
最近は、5軸NC加工機の多くのメーカーが歯車の加工にチャレンジしてきているのですが、歯車メーカーは、新しいことにあまりチャレンジ出来ていないと思います。
人財も以前は優秀な人が多く歯車に携わっていたと思いますが、最近では優秀な人はIT関連の業界に奪われてしまっていると思います。 しかし、歯車こそ計算することも多く、進歩が止まっているので、まだまだ、これからIT化を取り込み発展するチャンスがあります。意欲のある方に、もっと歯車に取り組んで頂きたいと思います。

特にホブ盤メーカーには、是非、DGMにチャレンジして頂いて、ホブ盤メーカーにも歯車の加工メーカーにも、少し工夫したら面白いことがいくらでも出来ることに気付いて頂きたいです。
欧州に比べて、日本の歯車業界はIT化が遅れていると思うので、DGM等を通して多くの人と関り、日本の歯車業界の発展に少しでも貢献出来たら良いなと思います。

4.自分のビジネスを持つ夢を叶えたい

私の仕事に対する考え方は、学生を卒業して最初に就職した会社での体験に大きく影響されています。奨学金を借りて大学院まで卒業し、1部上場企業に就職しました。そこからは安定した生活を送ることが出来るだろうと思っていました。しかし会社の状況は入社後に悪化をし始め、3万人いた社員のうち1万人をリストラをする計画が発表されるようになりました。残業代やボーナスが出ないだけでなく、給料カットまで行われる状態となりました。当時、私は29歳でリストラの対象にはなりませんでしたが、毎月約5万円づつ奨学金を返済していたので、30歳を目前にして、手取り給料から奨学金返済を差し引くと、高校卒業してすぐの若者よりも稼げていないのだろうなと思うと情けなくなっていました。

そのような時に、大企業でさえも突然どうなるか分からず会社に依存できる時代で無いことを痛感したので、自分の家で自分の実力で仕事をしている建築の設計士のような憧れを持ってしまいました。当時は会社の寮生活で、実家も当てに出来ず、アパートを借りられるだけの手取りもないので、家で仕事というよりもまず、会社の寮以外に住む場所の選択肢すら無かったのですが。。。

その頃、「金持ち父さん貧乏父さん」という本が流行っていて、お金持ちになるというよりも、まずは、どうやったらお金に余裕のある生活が出来るのだろうという思いで、本を読んでみました。
この本の中には以下の2点が、お金持ちになるための方法だと書かれていたと思います。

  • 投資してお金に稼いで貰うこと
  • 自分のビジネスを持つこと

ここから、約20年も経ってしまい、最初のころはあまり意識出来ていなかったとは思いますが、少しづつ、家で仕事が出来る自分のビジネスを持つ準備を進めてきたのだと思います。株の投資等は少しずつ行ってきましたが、今は自分のビジネスに投資しチャレンジするタイミングだと思いました。

5.自由を手に入れたい

最後は、ビジネスが上手くいってからでも良いのですが、1人ビジネスの自由を謳歌できるようになることを目指したいですです。

結婚してからは家族で一緒に住みたいと思うものですが、結婚したとたんに、職場が遠くなり単身赴任や長期間の海外出張等によるホテル暮らしになることが多くなってしまいました。今回で、やっと家に戻ることが出来ましたが、住むところの自由は今後もキープしたいです。

また、私の趣味はスキーと登山なのですが、休みが土日だと、特に夏山の登山では車の駐車場の確保に苦労したり人が多すぎたりします。
天気が良かったりタイミングが合えば、気の向くままに、金曜日から登山やスキーに向かえる自由を手に入れたいのが目標です。その代わり、日曜日は働いてTOTALの仕事時間を減らす必要は無いとは思っています。

あと、最近流行りのワーケーション等も出来るようになってみたいですね。

甘い考えですが、自由になる夢は持っていたいと思います。
金曜日は仕事をしていないことが多かったらゴメンなさい。

最後に

何とか、歯車加工技術研究所として専業で継続していきたいと思いますので、御共感頂けたらご支援よろしくお願い致します。